住宅ローンの融資可能額とは?
住宅ローンには、金融機関で異なりますが、「いくらまでなら貸してもらえる」という融資限度額があります。大きく分けて融資限度額は、物件による制限(担保 価値)と借入者の収入による制限の2つがあり、いずれか低い方が融資額の上限となります。言い換えるなら、両方の制限に引っかからないことが条件と言えま す。 |
<物件による制限>
民間の金融機関では一般的には購入金額や物件評価額の8~9割程度となっています。ローンによっては新築に限定されているものなどもあります。なお、借換えの場合には担保価値の200~300%まで融資可能なローンもあります。 住宅金融公庫は、マンションの場合は専有面積が50m2以上280m2以下、一戸建ての場合は床面積80m2以上280m2以下、敷地面積100m2以上など、物件そのものの条件が厳しくなっています。まずは融資対象物件となるかどうかを確認しましょう。融資対象となった場合には、購入金額の8割(年収800万円以上の場合は5割)が限度額となります。また、建物の規模、エリアによっても融資上限額が異なります。 |
<収入による制限>
収入による制限は、住宅金融公庫の場合は、(1)必要最低月収が毎月返済額の5倍以上あることと、(2)返済負担率が税込み年収の20~25%以内であること、となります。民間金融機関では下表のようになっています(金融機関によって異なります)。 収入による制限を広げる方法として、配偶者や親、子など同居予定の家族との収入合算があります。
注:返済負担率=年間返済額合計÷税込み年収 |
融資可能額を試算してみよう
実際にどのくらいまで融資してもらうことができるのかは、次のような手順で試算することができます。
毎月返済額 ÷ 借入金100万円あたりの毎月返済額 ×100万円
で試算します。 たとえば、金利3%、30年、元利均等返済の100万円あたりの毎月返済額は4,216円なので、Aさんの場合
(280万円÷12)÷4,216円 ×100万円 =約5534万円
となり、物件価格による制限の3200万円までは融資可能、ということがわかります。 |
金利と返済期間によっても融資可能額はかわる
融資可能額は、金利が低いほど、返済期間を長くするほど大きくなります。 Aさんの場合、(元利均等返済)
・金利3%の場合
- ●返済期間20年だと 約4207万円
- ●返済期間30年だと 約5534万円
- ●返済期間35年だと 約6063万円
・返済期間30年の場合
- ●金利2%だと 約6313万円
- ●金利3%だと 約5534万円
- ●金利4%だと 約4887万円
融資可能額はこのように試算することができますが、融資可能額と返済可能額は違ってきます。毎月返済額は将来にわたって無理のない金額か、返済期間は老後の生活に影響を与えないかなども考慮した上で、借入額を決めるようにしましょう。